英国、アストラゼネカのワクチン承認
著:大澤史來
英国は12月上旬よりファイザーワクチン接種することを開始した。医療施設に入居している高齢者とそこに働く従業員、80歳以上の持病がある高齢者が優先で順番にワクチンを受けられる。その第一回目はクリスマス前後に終了。1月5日より53万分の接種が始まる予定である。
そして今月30日、オックスフォード大学とアストラゼネカの共同ワクチンの使用が英国政府により許可され、国内用に新たに1億分をオーダー。50歳以上の優先度の高い人々は2,500万人と予測され、英国は十分なワクチンを確保していることになる。
さて、ファイザーとアストラゼネカのワクチンに違いはあるのだろうか。
ファイザーワクチンはmRNAワクチンとして注目され、ウイルス自体を原料とせず、コロナウイルスのタンパク質を合成し、開発や量産時間を短縮することができるが、摂氏70度以下で保存を必要とし、室温で希釈解凍後室内で6時間以内に使用しなければいけないのに対し、アストラゼネカワクチンはウイルスベクター(組み替えタンパク質)ワクチンといい、無害なウイルスに抗原タンパク質の遺伝子情報を入れウイルス自体が細胞に侵入することで抗体を作りウイルスを排除するもので、摂氏2~8度で保管し、一度針を刺した後も室温で6時間、2~8度であれば48時間保存が可能であり、希釈不要という違いがある。
しかしファイザーワクチンの効き目は95%であるのに対し、ストラゼネカワクチンは1回の接種で52.7%、3週間後で70%の効力に留まっている。
また製造コストを見るとファイザーワクチンは1本につき約$20(約2千円)ほど掛かるのに対し、アストラゼネカはその半分以下である。
この他にコロナウイルスワクチンの種類としてDNAワクチン、プロテインベース(組み替えタンパク)ワクチン、不活性化ワクチンが開発され、これらのワクチンによりパンデミックの早い収束が期待されている。
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