安倍首相辞任と健康状態

著:大澤史來

8月28日(金)安倍首相の記者会見が行われ、日本国総理大臣の辞任表明を各メディアが一斉に生中継で流した。海外のメディアもその事をいち早く伝え、イギリスでは米国トランプ大統領の次に大きな話題として取り上げられた。

日本の報道によると持病である潰瘍性大腸炎が悪化、人事変更のこのタイミングで自ら辞任を決定したと記者会見では語っていた。


歴代一位の長期政権と1年弱の内閣

6月には佐藤栄作首相を抜き、連続在任日数、2799日という長期政権の記録を残した安倍首相であった。しかし、2007年第一内閣時で、健康上の理由で辞任していた。約8年前に安倍首相が再び政権を取った時、薄々また同じことが起こるのではないかと頭をよぎっていた人も少ないないのではないか。残念ながら1年弱の任期を残しそれは現実になってしまった。


これまでの持病の経緯と実際に体調

前任期の時も辞任の理由となった潰瘍性大腸炎は新しい治療法などは一切ないとされ、薬で症状を抑えてきた状態だったといえよう。ある情報筋によると、それが今回の検査ですい臓がんに変化したと言う。父である安倍晋太郎元外務大臣と同じ症状である。今のところまだ初期ステージという事で投与治療が始まった。

安倍首相は17日の段階では継続を予定していた。24日になっても継続予定であったものの慶應病院の医師から気になるところがあると言われ、組織検査しがんを発見した。なお、元々医師からはガンになったらドクターストップをかけるという約束であったため、今回はそれに従ったようだ。28日午後に検査結果が入り、退任を決断した。


この辞任における国内、諸外国への影響

アメリカ大統領選挙、米中関係に大きな影響がありそうだ。そしてイギリスを中心としたファイブ・アイズに対する加入の話が一時なくなる可能性も出てきている。


ポスト安倍で今までの外交は変化するのか

次に誰が来るかによってどのように変化するか分かってくるが、安倍政治の継続であれば(河野太郎・菅義偉)政策もそのまま継続されるであろうが、安倍首相の時よりもそのスピードは遅くなると考えられる。

菅官房長官の場合は、現在の刑事事件となっている河井夫妻、秋元議員の事件への関与が指摘され、早々に政権が停滞する可能性があるだろう。

岸田氏は自民党内指導力が弱く、国内政治で完全に翻弄される事であろう。石破氏になった場合は石破・二階という「親中派」内閣で、今までとは全く異なる方向性になり、日米同盟の危機が訪れることになるであろう。民主党政権と土曜、外交瞑想になりかねない。


安倍首相は記者会見でもコロナ対策、北方領土問題、日露平和条約、拉致問題、憲法改正という課題をクリアできなかった事を悔やんでいたが、海外での彼の評価は一様に高かった。今後の首相でどこまで日本を正しく導く指導者が現れるのであろうか。

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