インターナショナル・セキュリティEXPO
著:大澤史來
イギリスの治安
去年の11月下旬、英ロンドンのタワー・ブリッジ上で、突然刃物を持った男が無差別に橋を渡る歩行者を切りつけ、2人が死亡、3人が負傷するという事件が起こった。刃物の男性は一般人によって取り押さえられているところを警官が駆けつけ、その男を射殺。
また、ロンドン市内では10代の学生が学校帰りにナイフで殺傷される事件が頻繁して起きている。
EXPOの出展者
そのタワー・ブリッジで起きた事件の翌週、12月3日、4日の2日間で開催されたインターナショナル・セキュリティEXPOは、初日から多くの来場者が、ケンジントン地区にあるオリンピアを訪れた。
出展者は英国、米国、カナダ政府の防衛省をはじめ、一般のセキュリティ会社まで様々であり、その数350社以上。日本企業としては東芝だけがこのEXPOに参加し、日本では最新のドローン感知システム、商業用リチャーチブルバッテリーを紹介していた。
米国の軍事セクションでは、V Rを使った射撃トレーニングシステムのデモを行っており、そのデモの体験者はまるでVRゲームをしている感覚であったという。軍事練習も最新テクノロジーによって様変わりしてきているのだろう。
その他には車両がそのままスキャンできる大規模な装置であったり、テロリストなど爆破物を積んだ車両が建物に突っ込まないように防御するための頑丈なバリケードであったり、服などに取り付ける小型カメラ、PCのスクリーンを横から盗み見られないようにするスクリーンカバー、完全な暗号化された通信アプリなど、あらゆるものが会場を埋め尽くすように展示されていた。
サーヴェイランス・セキュリティ企業
さて、今回数々の出展者の中からロンドンを中心にサーヴェイランス・セキュリティを個人、または企業に提供している「SQR Security Solutions」の社長、シャイ・スラグター氏に話を伺う事ができた。
7年前に設立したSQRは現在世界各国にクライアントを持ち、サッカーのワールドカップなどのイベントのセキュリティから政治家やセレブ個人のボディーガード派遣サービス、監視カメラ、自宅や企業のセキュリティなどのサービスを365日24時間体制で行っている。また、ボディーガードや監視員を自らの会社で育成もしている。https://www.sqrgroup.com/
最近ではDouble Shootという企業とも共同で、ボディーガードなどが射撃トレーニングするためのアプリの提供をしている。https://www.double-shoot.com/
私たちの未来
日本では自宅にセコムのようなセキュリティシステムを入れている一般家庭はそれほど多くないが、欧米では、個人所有の家や賃貸物件でも普通にセキュリティシステムを導入し、休暇で長期外出するときなどに役立っている。
残念ながら世界の治安が今後もっと悪化すれば、今まで以上にセキュリティシステムは必要に必要になってくると言わざる得ない。日本でも自分の身は自分で守らなければいけない日が来るのだろうか?
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